バンライフのベースカーとして最も熱い視線が注がれるのがVW。海の向こうでも日本でもその人気は格別で、タイプⅡとヴァナゴンはひときわアツい。なかでもオートキャンパーの代名詞・ウエストファリアとくれば、アウトドア嗜好のユーザーの間では垂涎の的。ここでは、ウエストファリアと、ヴィンテージピクニックスタイルを愛してやまないオーナー&その愛車をご紹介しよう。

 

レトロな時間を愉しむ走るヴィンテージ空間

 ワーゲンバスはいつの時代にあっても、スローライフを愛する自由人からは魅惑的な乗り物に見えるよう。タイプⅡは空冷VWのエンスージアストやカスタムフリークのあいだで昔から愛されてきたが、昨今のバンライフ流行の影響で、マニア人気のみにとどまらない模様を呈している。特にキャンパー仕様のウエストファリアは人気急上昇中だ。

 そもそも「ウエストファリア」とは何かを説明すると、これは19世紀に創業した歴史あるドイツのコーチビルダー(架装メーカー)のこと。馬車の製作から始まった企業で、今を遡ること65年前、1951年に自社のキャンピングボックスをVWタイプⅡに架装したのが、コーチビルダーとしての始まりだ。1962年にタイプⅡベースの本格的キャンパー「SO34」をリリースし、同時にフォルクスワーゲン純正採用のコンバージョンとしてヨーロッパ各国やアメリカへの輸出を開始。そう、VWキャンパーは他社製のバンコンバージョンも存在するが、「純正」であることがその圧倒的な人気を誇る理由なのだ。

 休日のヴィンテージ・オートキャンプを夫婦で愉しむことをライフスタイルとする鷺野サンの愛車は、レイトバスこと2代目タイプⅡのウエストファリア。空冷VWの世界で’72年以降の生産車を指す“レイトレイト”の’74年型で、’67年以前の初代アーリーバスより、近代的かつ快適装備のため、ココ数年で車体価格も高騰していることも付け加えておこう。ちなみに日本でのウエストファリアのキャンパーは、代理店だったヤナセが新車当時に販売したディーラー正規車よりも、欧米から中古並行で持ち込まれた個体が大半。この1台もボディサイドの前後にサイドマーカーが備わることから、北米仕様車と判別できる。ポップアップルーフも含めた内外装のコンディションは極めて良好で、しかもクーラー完備とくれば、ファンな旅のアシには申し分ナシの個体といえるだろう。

 そんな鷺野夫妻のレイトバスとの付き合いはすでに6年目。お2人ともキャンプ好きで、アンティークな家具や雑貨を集めるのが趣味だけに、年代物のVWキャンパーに行き着くのにも納得。’74年型を選んだのは旦那様の生まれ年と同じなのがキメ手だった。ではあるが、タイプⅡに興味を持つキッカケとなったのは「結婚前からうちの妻がどうしても乗りたいという夢がありまして……(笑)」との話。もともと空冷VWマニアではなく、おしゃれなキャンピングカーとしてレイトレイトのウエストファリアに憧れ、現在に至ったというワケだ。

 雰囲気重視でカッコよく乗ることができ、余暇を豊かにしてくれる存在。それが鷲野夫妻のVWタイプⅡウエストファリアだ。だからこそオーナーの趣味性を色濃く反映した、おしゃれヴィンテージキャンパーであるわけだ。

1974 VOLKSWAGEN TYPE Ⅱ WESTFALIA

 車両はレイトレイトとなる’74 年型のタイプⅡウエストファリア。ヴィンテージ・オートキャンパーとしての完成度を高めるべく、フランスはメッサージュ社のフルコットンテントを合わせる。材質はもちろん、オレンジのカラーリングも’70 年代当時を思わせる趣がステキ。ビニール製の飾り窓や、カーテンなど、雰囲気はこれまたバツグン!

思いの外大きいテントは、5 ~6 平米ほどの空間となる。テント内全体はチェック柄を基本にコーディネート。テーブルやチェアは’60 年代のアメリカ製をチョイス。ヴィンテージ好きにはたまらない空間だ。

 

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